語り合うべきことは「これからどうするか」

実は、今年に入って、とても心が揺れ動くようなことが続きました。
心が揺れ動くようなつらいことや悲しいことが起こった時、これまでいつも、私は本を読むことで救われて来ました。

今回、私を救ってくれた本は、岸見一郎・古賀史健 共著の『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』の2冊です。
読んでいて、心に響き、沁み渡ることがたくさんありました。
数年前に、アドラーの思想に初めて触れた時の衝撃は、とても大きなものでした。


今回、紹介するのは、『幸せになる勇気』に載っていた、時折カウンセリングで使用するという「三角柱」のお話です。
この三角柱は、私たちの心を表しているそうです。

一面には「悪いあの人」、もう一面には「かわいそうなわたし」と書いてあります。
三角柱の、今見えていないもう一面に、どんなことが書いてあるか考えながら、読んでみてくださいね。

カウンセリングにやって来る人も、家族や友人と語らう時も、相談事を持ちかける時も、
私たちは、「悪いあの人」を非難するか「かわいそうなわたし」をアピールするか、結局この二つしか語っていないと言います。

うーん、私も大いに腑に落ちます。

でも、《哲人》は言います。

われわれが語り合うべきことは、ここにはないのです。

あなたがどんなに「悪いあの人」について同意を求め、「かわいそうなわたし」を訴えようと、
そしてそれを聞いてくれる人がいようと、一時のなぐさめにはなりえても、本質の解決にはつながらない

そして、三角柱を回転させ、《青年》に、最後の一面に書かれた言葉を読ませます。
「これからどうするか」

《哲人》は言います。

そう、われわれが語り合うべきは、まさにこの一点、「これからどうするか」なのです。

「悪いあの人」などいらない。「かわいそうなわたし」も必要ない。あなたがどんなに大きな声でそれを訴えても、わたしは聞き流すだけでしょう。

冷淡さゆえに聞き流すのではありません。
そこに語り合うべきことが存在しないから、聞き流すのです。

たしかに「悪いあの人」の話を聞き、「かわいそうなわたし」の話を聞き、わたしが「それはつらかったね」とか「あなたはなにも悪くないよ」と同調すれば、ひとときの癒しは得られるでしょう。
カウンセリングを受けて良かった、この人に相談してよかった、という満足感もあるかもしれません。

「でも、それで明日からの毎日がどう変わるのか?また傷ついたら癒しを求めたくなるのではないか?
結局それは「依存」では無いのか?」
…だからこそアドラー心理学では、「これからどうするか」を語り合うのです。

この三角柱の話は、私の心に強く響きました。

起きた過去など関係なく、考えるべきことは、「これからどうするか」の一点なのだと。

今回は、私を救ってくれたこのお話をご紹介してみましたが、アドラーの思想は、これからもたくさん紹介して行きたいと思っています😊

最後までお読みくださり、ありがとうございます🍀

byかこちゃん

本日ご紹介した書籍:岸見一郎・古賀史健 共著『幸せになる勇気』(Amazon